表彰を受けた中尾さん(左)と佐藤市長

 【宇都宮】佐藤栄一(さとうえいいち)市長は21日までに、次世代型路面電車(LRT)の運行会社・宇都宮ライトレールの中尾正俊(なかおまさとし)常務ら市の公共交通の発展に尽力した関係者2人と、パリ五輪に出場した市ゆかりの8選手に市長特別賞の授与を決めた。同日、中尾常務の表彰式を市役所で行った。他の受賞者も順次表彰する。

 中尾常務は、広島電鉄常務を務めるなど、路面電車に長年従事。手腕を買われ、2015年の宇都宮ライトレール設立時から事業推進に奔走した。表彰式では「みなさんの協力で開業できた。今後もがんばっていきたい」と涙ぐみながら、佐藤市長から表彰状とメダル、花束を受け取った。「もうだめかという時期もあった。感動の思い出もある。過分な評価に感謝です」と感慨深い様子だった。

 佐藤市長は同社設立当時を振り返り、「世界でも『路面電車の中尾』と言われる中尾さんを迎えられ、鬼に金棒の気持ちだった。プロの経験と意見は大きな財産になった」とたたえた。

 このほかの受賞者は、長年公共交通を研究し市の都市計画などに携わった宇都宮大名誉教授の古池弘隆(こいけひろたか)さん、パリ五輪に出場したレスリング女子の鏡優翔(かがみゆうか)、競泳男子の松下知之(まつしたともゆき)、陸上男子の佐藤風雅(さとうふうが)、飛び込み女子板飛び込みの榎本遼香(えのもとはるか)、スポーツクライミング男子複合の楢崎智亜(ならさきともあ)、トライアスロン男子のニナー賢治(けんじ)、ホッケー女子の狐塚美樹(こづかみき)、バスケットボール男子の比江島慎(ひえじままこと)の各選手。