帝国データバンク宇都宮支店は27日、漆器類販売業の菊地漆器(宇都宮市富士見が丘4丁目)が宇都宮地裁から特別清算開始命令を受けたと発表した。9日付。負債額は推定3千万円。

 帝国データバンク宇都宮支店によると、菊地漆器は1872年創業、1955年設立。会津漆と呼ばれる漆器を取り扱い、百貨店やホテルなどで取り扱う高級品需要に対応し、最盛期は年商5億円超を計上していた。

 近年は木工製品や陶磁器、ガラス製品も手がけ、カタログショップなどの販売チャンネルを開設するなど積極的な経営を見せていた。しかし、好みの変化や伝統工芸品の需要低下で年商規模が約1億円程度まで減少。採算は維持できていなかった。

 2017年12月に宇都宮市大通りにあった本店を売却し負債軽減に努めたが、22年4月に事業存続を断念した。清算手続きの中で、資産を売却しても負債を吸収しきれないことが判明したという。