東京商工リサーチ宇都宮支店が4日までに発表した2024年上半期(1~6月)の県内企業倒産整理状況(負債総額1千万円以上)によると、倒産件数は前年同期比26件増の77件で、9年ぶりに70件を超えた。人件費や原材料、エネルギー価格などの上昇が続いていることが要因とみられる。

 負債総額は86億6800万円で前年より46・1%増えたものの、8年連続で100億円を下回った。負債額が10億円を超える大型倒産がなかったことが影響したとみられる。

 一方、負債額1千万円以上5千万円未満の小規模倒産が30件で全体の39・0%を占めた。1億円未満まで含めると52件で、67・5%に上った。資金力の乏しい中小零細企業が、人件費や原材料費上昇の影響をより強く受けているとみられる。

 新型コロナウイルス関連倒産は40件あり、全体の51・9%と過半数を占めた。新型コロナ対策で政府が進めた実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済で、事業に行き詰まった企業が多かったとみられる。

 産業別では「サービス業他」が25件で最も多く、「製造業」が19件と続いた。原因別では「販売不振」が66件で、全体の8割以上を占めた。

 7月単月は、倒産件数が前年同月比1件増の13件、負債総額は11・9%減の7億5100万円。大型倒産は10カ月連続でなかった。

 今後について同支店は「利上げもあり、倒産件数が毎月10件を超える流れは続くのではないか」としている。