栃木県警本部

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 栃木県警が2024年上半期(1~6月)に認知した刑法犯は前年同期比124件(2・2%)増の5782件で、2年連続で増加したことが8日までに、県警のまとめ(暫定値)で分かった。22年は年間の認知件数が戦後最少だったが、23年から増加に転じた。24年は銅線など金属類を狙った「非侵入盗」が215件(8・0%)の大幅増加で、全体を押し上げた。

 県警刑事総務課によると、刑法犯の年間の認知件数は03年をピークに22年まで右肩下がりが続いた。しかし、新型コロナウイルス禍を経た人流回復などで23年上半期は19年ぶりに増え、24年も増加傾向が続く。

 全体の8割を占めるのは窃盗犯で92件増の4530件。増加の要因は金属類の窃盗などの非侵入盗だ。24年は215件増の2918件。屋外の太陽光発電施設の銅線を狙う手口が大半で、寺社の屋根の銅板や側溝のふたなども盗まれている。

 背景には銅を含む金属類の買い取り価格の高騰があるとされ県警はパトロールを強化。管理者に防犯対策の徹底を呼びかけている。

 空き巣や就寝中の忍び込みなどの侵入盗は736件で135件減少した。

 他に増加が目立ったのは、横領などの知能犯で49件増の219件。このうち詐欺が50件増の195件だった。わいせつなどの風俗犯は36件増の80件。23年7月に新設された性的姿態撮影処罰法の違反行為49件が新たに計上された。

 凶悪犯は1件増の35件。殺人は1件増の7件で、うち6件は未遂だった。暴行や傷害などの粗暴犯は56件減の249件。器物損壊が28件増の408件だった。

 一方、摘発件数は694件(45・3%)増の2226件、摘発率は11・4ポイント増の38・5%でいずれも上昇した。防犯カメラ映像の捜査が奏功したとみられる。摘発人数は67人(6・6%)減の952人だった。