うたい文句は「笠間市のゲートウェイ」。北関東自動車道友部インターチェンジから車で5分ほど。まさに市内観光の玄関口だ。
茨城県はクリの生産量が日本一で知られ、特に笠間市は一大産地。駐車場では、かわいらしいクリの形をした車止めが迎えてくれた。
フードコートに入ると、黒や水色、シロクマをイメージした3種類の手洗い鉢に目を引かれた。市内在住の作家らがつくった笠間焼という。
「よく見ると、遊び心が感じられる」。菅井敏幸(すがいとしゆき)駅長(58)に施設の特徴を聞くと、こう返ってきた。来場者を楽しませるアートな趣向が所々にちりばめられている。
手を洗った後は地元グルメに舌鼓。ブランド牛である常陸牛の雌「常陸姫」を使ったハンバーグは、とろけるような肉質だ。クリのスイーツを扱う店「楽栗La Kuri」は行列が絶えない。
直売所は農産物だけで年間10億円を売り上げる。入り口では、ふんわりと華やかな香りがした。市が全国有数の産地であるコギクをはじめ、色とりどりの花々がずらり。人気のクリは秋に旬を迎えると10品種近く並ぶ充実ぶりだ。
2021年9月に開業し、間もなく3周年。14~16日には記念切符を配布したり、音楽演奏を披露したりするイベントを開催する。
昨年度の来場者数は81万6千人。関東近県からの来訪が多いという。駐車スペースは432台分と多く、キャンピングカーなどで車中泊ができるサイトも3台分ある。
宇都宮市からドライブで訪れた会社員塩原紀男(しおばらのりお)さん(64)、有実子(ゆみこ)さん(60)夫婦は「焼き物が好きなので(益子町の)道の駅ましこに寄ってから来た」と笑顔を見せた。
窯業地を巡る“かさましこ”ツアーの際の休憩にもぴったりだ。
【メモ】茨城県笠間市手越22の1。直売所午前9時~午後6時。楽栗La Kuri午前9時半~午後6時。フードコート午前11時~午後6時。毎月第2木曜定休。(問)0296・71・5355。