小山市内で2004年9月、幼い兄弟が思川に投げ落とされ殺害された虐待死事件は12日、発生から20年を迎える。事件以降、県内の児童相談所(児相)では職員の配置数増加など体制強化が進展。同年の改正児童福祉法で児相に加え、虐待の相談窓口を担うようになった市町では現在、妊娠から出産、子育てまでを一貫しサポートする「こども家庭センター」の設置が進む。一方で県内の虐待相談対応件数は近年3千件台で高止まりしており、根絶からはいまだ遠い現実がある。
事件後20年が経過し、県内児相の体制強化は進んでいる。相談対応件数増加などを受け、児童福祉司など虐待対応に当たる県央、県北、県南児相常勤職員の総数は、04年の25人から24年は84人と3倍以上に増加。警察との連携強化を目的に11年以降は県警OBが各児相に配置され、今年4月からは中央児相に現役警察官が勤務する。ほか二つの児相への助言も行っており「警察介入が必要な重い案件などで助けてもらっている。各警察署とのやりとりもよりスムーズになった」(県こども政策課)という。
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