児童虐待の増加要因などを語る子ども虐待防止ネットワークとちぎの福田代表=5日午前、さくら市内

 小山兄弟虐待死事件は12日で丸20年となる。節目を前に、子ども虐待防止ネットワークとちぎの福田雅章(ふくだまさあき)代表(63)に児童虐待を取り巻く状況や、虐待を防ぐために望まれる子育て環境などを聞いた。

 -児童虐待の相談対応件数が高止まりしている。要因は。

 「核家族化やひとり親家庭が増え、親戚や地域との関係が希薄化している。周囲の助けがない状態により子育て負荷が高まり、親の余裕がなくなっている」

 「人のつながりがないと地域や行政の福祉サービスの情報も入らない。『できない自分を見せられない』とSOSを出せない親も多い。子育ては子どもを取り巻く大人の総合力。養育力の低い親がいたとしても、補完できる人が身近にいればいい。共助が弱り、その環境がないことが問題だ」

 -児童相談所(児相)の機能や権限は強化された。