道交法で義務付けられた6歳未満のチャイルドシートの使用について、日本自動車連盟(JAF)と警察庁が行った2024年の調査で、栃木県内の使用率は前年比7ポイント増の76・7%だったことが14日までに、JAF栃木支部への取材で分かった。過去5回の調査で最高だったものの、全国平均(78・2%)を下回り、依然として2割超が使用していない実態が浮かぶ。福岡市では8月、路線バスと軽乗用車が衝突し、チャイルドシートを使っていなかった幼い姉妹が死亡した。不使用は子どものけがや死亡につながる可能性が高く、同支部は適正使用を呼びかけている。
調査は全国99カ所で実施された。本県では5月、壬生町おもちゃ博物館と宇都宮市の県総合運動公園駐車場で、車に乗っていた6歳未満の子ども計202人のチャイルドシートの使用状況を調べた。
使用は76・7%(155人)。不使用だった23・3%(47人)の内訳では、チャイルドシートに座っていたがベルトを着けていない状態が11・4%(23人)で最多だった。車の座席に座り大人用シートベルトを着用していたのが6・4%(13人)、シートベルトもしていなかったのは5%(10人)。保護者が抱っこしていた事例も1件あった。
全国で使用率が高かった都道府県は愛知(91・7%)や岐阜(90・6%)、富山(89・5%)など。一方、沖縄(54・0%)、石川(62・5%)、宮崎(63・4%)は低かった。
本県は18年が60・5%で、その後は年々上昇し、23年は69・7%だった。20、21年はコロナ禍の影響で調査はしていない。
JAFは6歳以上でも身長150センチ未満の子がシートベルトを使うと、首にベルトがかかる危険性などを指摘する。福岡市の事故で死亡した5歳と7歳の姉妹はいずれも身長140センチ未満だったとされ、シートベルトで腹部を圧迫された疑いがあるという。
チャイルドシートの推奨基準の見直しを検討してきたJAFは12日、これまで「身長140センチ未満」としていた基準を「150センチ未満」に引き上げた。
同支部の担当者は「体格とベルトが合っていないと思わぬ事故につながる危険性がある。子どもの安全を守るために、チャイルドシートを適正に使用してほしい」と訴えている。