全国の新聞社や放送局などが集まり意見を交わす「マスコミ倫理懇談会第66回全国大会」が3日、宇都宮市で開幕した。「もう一度問い直す 私たちの原点」をテーマに、人権やジェンダー、政治とカネといった分野で報道姿勢や在り方を議論した。本県開催は初めて。

対談【ジャニーズ性加害問題などに見る報道の問題点・課題】
分科会【人権報道の新たな視点を求めて】
分科会【ジェンダー発信の現場】
分科会【災害をどう伝えるか】
分科会【実名報道について考える】
分科会【「政治とカネ」と「自治」】
分科会【生成AIとメディア】
分科会【広告のこれから】
大会は下野新聞社を含む新聞、出版、映画、広告など全国194の企業や団体でつくる同懇談会全国協議会が年1回開いている。オンラインを含め記者や識者ら約270人が参加。マスコミ倫理の向上や言論・表現の自由などについて考えた。

全体会議で同協議会の徳永康彦(とくながやすひこ)代表理事は、「生成人工知能(AI)の急速な発達で大きな恩恵がもたらされるが、フェイクニュースが容易に作成できるようになった」と指摘。「真実を伝えるメディアの役割はこれまで以上に重要だ」と強調した。

開催地を代表し下野新聞社の若菜英晴(わかなえいせい)社長が「混沌(こんとん)とした状況だからこそ、市民の知る権利に応え、頼られる存在としての立ち位置を再構築しなければならない」とあいさつした。

対談では、「週刊文春」元編集長の新谷学(しんたにまなぶ)氏らが登壇し、ジャニーズ性加害問題を切り口にマスコミの問題点や課題などを指摘した。七つの分科会では、多様なメディアの垣根を越えて参加者が議論し知見を深めた。最終日の4日は大会申し合わせを採択する。(枛木澤良太)