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 全国の新聞社や放送局などが集まり意見を交わす「マスコミ倫理懇談会第66回全国大会」が3日、宇都宮市で開幕した。「もう一度問い直す 私たちの原点」をテーマに、人権やジェンダー、政治とカネといった分野で報道姿勢や在り方を議論した。本県開催は初めて。

マスコミ関係者が一堂に会して開幕した「マスコミ倫理懇談会全国大会」=3日午前10時50分、宇都宮市宮みらい
マスコミ関係者が一堂に会して開幕した「マスコミ倫理懇談会全国大会」=3日午前10時50分、宇都宮市宮みらい

 大会は下野新聞社を含む新聞、出版、映画、広告など全国194の企業や団体でつくる同懇談会全国協議会が年1回開いている。オンラインを含め記者や識者ら約270人が参加。マスコミ倫理の向上や言論・表現の自由などについて考えた。

マスコミ関係者が一堂に会して開幕した「マスコミ倫理懇談会全国大会」=3日午前10時40分、宇都宮市宮みらい
マスコミ関係者が一堂に会して開幕した「マスコミ倫理懇談会全国大会」=3日午前10時40分、宇都宮市宮みらい

 全体会議で同協議会の徳永康彦(とくながやすひこ)代表理事は、「生成人工知能(AI)の急速な発達で大きな恩恵がもたらされるが、フェイクニュースが容易に作成できるようになった」と指摘。「真実を伝えるメディアの役割はこれまで以上に重要だ」と強調した。

対談に耳を傾ける全国のマスコミ関係者たち=3日午前11時10分、宇都宮市宮みらい
対談に耳を傾ける全国のマスコミ関係者たち=3日午前11時10分、宇都宮市宮みらい

 開催地を代表し下野新聞社の若菜英晴(わかなえいせい)社長が「混沌(こんとん)とした状況だからこそ、市民の知る権利に応え、頼られる存在としての立ち位置を再構築しなければならない」とあいさつした。

対談する新谷さん
対談する新谷さん

 対談では、「週刊文春」元編集長の新谷学(しんたにまなぶ)氏らが登壇し、ジャニーズ性加害問題を切り口にマスコミの問題点や課題などを指摘した。七つの分科会では、多様なメディアの垣根を越えて参加者が議論し知見を深めた。最終日の4日は大会申し合わせを採択する。(枛木澤良太)