全国の新聞社や放送局などが集まり意見を交わす「マスコミ倫理懇談会第66回全国大会」は4日、全体会議で「民主主義社会を支える存在と自覚のもと、読者・視聴者の期待と信頼に応える」などとする申し合わせを採択し、閉幕した。次回は2025年10月9、10の両日に福井市で開く。
採択に先立ち、3日に行われた分科会での議論を座長が報告。災害取材や人権報道、政治とカネの問題などのテーマを総括した。
申し合わせでは、社会のメディア不信が高まっているとして、報道の原点やメディア、広告の役割、倫理観などを見つめ直すことを確認した。
大会議長を務めた下野新聞社の三浦一久(みうらかずひさ)編集局長は「混迷した時代だからこそ報道の原点を見つめ直し、読者、視聴者、取材対象者と真摯(しんし)に向き合い続けなければならない」と締めくくった。
全体会議後は、一線で取材する関東の地方紙記者による報告会も開かれた。下野新聞社社会部の関健(せきたける)記者は、本県で起きた悪質な交通死亡事故を巡り、遺族取材の過程や危険運転致死傷罪を巡る問題点を報告した。(枛木澤良太)