【真岡】市はこのほど、農業用機械の自動運転のために精度の高い位置情報を提供する「RTK(リアル・タイム・キネマティック)システム」を活用した実演会を反町の農地で開催し、関係者が「スマート農業」の利便性を確認した。
計約130ヘクタールで米と麦を栽培する高山宏(たかやまひろし)さん(73)が、無人のトラクターで耕す作業を参加者に見せた。自動で方向転換し、往復の重なり幅が2センチという精度の設定で、1ヘクタールを耕すのに1時間かからない効率の良さを実演した。
石坂真一(いしざかしんいち)市長や嶋田寛(しまだひろし)副市長、芳賀農業振興事務所の幹部らが参加し、実際に乗るなどしてハンドルを触る必要がない自動運転を体感した。市は今月、市役所にRTKの基地局を県内市町として初めて設置。先端技術で農作業の自動化、効率化を図るスマート農業を加速させていく方針だ。
これまで民間のRTKサービスを使っていた高山さんは「特に田植えでは圧倒的に便利。市の基地局は値段も安く、これからの農業にRTKは欠かせない」と強調した。石坂市長は「以前ドラマで見た世界が現実になっている。担い手不足、高齢化が進む農業をしっかり守っていく」と話した。