【佐野】県内の自治体で初という「シニア地域デビュー条例」を制定している市は、定年などで第一線を退いた高齢者を対象とした「シニア地域デビュー手引書」を作成した。新たに地域社会とつながるために、興味・関心のあるサークルやボランティア活動への参加など、「地域デビュー」のきっかけづくりに活用してもらいたい考え。市いきいき高齢課は「初めの一歩を踏み出すのに役立ててほしい」と呼びかけている。
条例は2023年7月に施行した。「人生100年時代」の到来を念頭に、誰もが生きがいを持って暮らせる地域社会の実現を目指している。老後の生活の変化などを踏まえ、地域社会で新たな関係を築く地域デビューを官民が連携して後押しするのが狙い。
今回の手引書は同条例に基づき、希望する高齢者が円滑に地域デビューを果たすために必要と思われる自己分析や基本的な情報などが盛り込まれている。
これまでの人生を振り返り、現在の自分が好きなもの、興味があるもの、やりたいことを再認識、再発見する「今活」を提案している。チェック項目を設け、自身が望む「地域デビューの形」などをイメージできるようにしている。
情報として(1)学んだり体を動かしたりする「講座」(2)1人、または仲間と一緒の活動(3)社会に貢献できるボランティア(4)支援する相談窓口(5)起業などでさらにステップアップ-と、項目別に相談窓口と合わせて分かりやすくまとめている。同課は「興味や体力などの変化に合わせて70代、80代など、次のデビューにも活用できる内容になっている」としている。
手引書はA4判16ページ。同課や各行政センター、各支所、各地区公民館などに設置しているほか、市ホームページからもダウンロードできる。
(問)同課0283・20・3021。