海難救助の精鋭集団で、「海猿」とも呼ばれる海上保安庁特殊救難隊の氷下潜水訓練が13日、日光市湯元の湯ノ湖で始まった。
発足から50周年を迎える同隊伝統の訓練。氷結した湖面を転覆船に見立て水中で救助に当たる活動など、15日まで5隊計約30人が交代で行う。

猛吹雪の中、氷結した湯ノ湖で潜水訓練する隊員たち=13日午後4時20分、日光市湯元、永嶌理絵撮影
この日は昼過ぎから第1隊の6人が同湖南岸で実施。隊員は猛吹雪の中、のこぎりなどで厚さ50センチの氷に穴を開ける作業に臨み、休む間もなく水温3度と冷たく暗い水中に素潜りしてロープを結んだりするなどの訓練を日没後まで続けた。
同隊川田匡剛(かわたただよし)隊長(41)は「風雪が強烈で、過去10年で最も過酷だった。助けを待つ人のことを考えて寒さに負けずに取り組めた」と話した。(磯真奈美)