栃木県大田原市指定無形民俗文化財「福原餅つき唄」の保存会と佐久山小児童の交流会が18日、同校で開かれ、卒業を控えた6年生11人の門出を一足早く祝った。

唄に合わせて餅をつく保存会の会員と児童=18日午前11時、大田原市佐久山
唄は1180年、平家追討の旅に出る那須与一宗隆(なすのよいちむねたか)の出陣を祝い、福原地区の領民が激励の餅をついたのが始まりとされる。交流会は統合した旧福原小で長年行われてきた行事で、全校児童71人と同保存会員11人が参加した。
「那須の与一宗隆公は色白で~」と伝統の唄が響く中、会員は軽快なリズムで餅をついた。児童は臼を中心に輪を作り、手をたたく振り付けを交えて一緒に歌った。途中からは6年生も餅つきに参加。最後はあんこやきな粉に絡めたつきたての餅を全員で味わった。
6年佐藤翔(さとうしょう)さん(12)は「こうした伝統が地元にあるのは誇らしい」と笑顔。同会の広瀬秀雄(ひろせひでお)会長(80)は「餅のように粘り強い中学生になってほしい」と期待した。