【益子】町内に新たな花の名所をつくろうと、14年にわたり益子の円道寺池周辺の整備を続けてきた「益子花の会」などは23日、同池近くの益子観光南駐車場で初の桜祭りを開く。「まだ広くは知られてはいない、城内の奥座敷」と銘打ち、コンサートや飲食テントの設置なども企画。四季の魅力を感じられるスポットとしてPRしていく。
円道寺池は、益子焼の販売店が並ぶ城内坂通りにある益子観光南駐車場から南東数百メートルにある。同会は桜や梅でにぎわう静岡県熱海市を視察したことをきっかけに2012年、地元自治会や「益子里山の会」の会員らで発足した。
当時は熱海市のタイリョウザクラを町道沿いに植樹。町出身で大塚商会を創業した故大塚実(おおつかみのる)さんから寄贈を受けたり、地元の小学生にも協力してもらったりするなど、取り組みの輪は広がった。その後、オーナー制で募ったりした花木も加えるなど花の会のメンバーが同池周辺を地道に整備し、周遊路も造った。
現在はタイリョウザクラやしだれ桜、オオシマザクラ、ソメイヨシノのほか、菜の花、アジサイ、スイセン、ミズバショウ、レンギョウなどが季節ごとに咲く。花の新名所として地域住民や観光客らにお披露目できるまでになったことから、桜祭りを企画した。
当日は、地元のマリンバ奏者高島聡美(たかしまさとみ)さんらによるコンサートに加え、各種スイーツやカレー、ピザなどの飲食テント13軒が並ぶ。実行委員で町観光協会専務の神田智規(かんだとものり)さん(48)は「地元の方々が長年尽力して魅力ある場所に生まれ変わりつつあることを知ってほしい」と意気込む。寒さの影響で例年より開花が遅れていることから、関係者は祭りまでに早咲き品種が咲くことを願っている。
午前11時~午後3時。雨天中止。(問)事務局ヤマニ大塚0285・72・7711。