餌を吐き出すレイ=28日午前10時20分、小山市下生井(同市提供)

 栃木県小山市は29日までに、同市下生井の渡良瀬遊水地で営巣している国の特別天然記念物コウノトリの卵から、少なくとも1羽のひながふ化したと推定されると発表した。同所では6年連続。

 親鳥のペアは昨年と同じ9歳の雄「ひかる」と5歳の雌「レイ」。市によると、地元観察者の報告やライブカメラの映像で親鳥が餌を吐き出す行為が観察され、兵庫県立コウノトリの郷公園の助言を基に28日、ふ化推定と判断した。産卵推定日は2月22日。

 浅野正富(あさのまさとみ)市長は「6年連続のひな誕生を大変うれしく思う。今後も皆さまと共に、コウノトリが住み続けられる環境づくりに取り組んでいく」。渡良瀬遊水地コウノトリ・トキ定着推進協議会の青木章彦(あおきあきひこ)会長は「今年もふ化した喜びを皆さんと分かち合いたい。巣立ちの時まで遠くから温かく見守ってあげてください」とコメントした。

 市などは遊水地周辺の小学生に考えてもらったひなの愛称候補を「わたらせ自然ミュージアム」のホームページに掲載。5月2日まで一般市民らによる決選投票を行っている。