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 世界遺産・日光山輪王寺(日光市山内)の伝統行事「強飯(ごうはん)式」が2日、本堂「三仏堂」で開かれた。一般参列の約200人が見守る中、お堂には山盛りの飯を食べるよう強いる、山伏の威勢よい声が響いた。

飯を残さず食べるよう頂戴人を責め立てる山伏たち=2日午前11時45分、日光市山内
飯を残さず食べるよう頂戴人を責め立てる山伏たち=2日午前11時45分、日光市山内

 僧侶による法要「三天合行供(さんてんごうぎょうく)」と護摩たきに続き、「強飯頂戴(ちょうだい)の儀」を執り行った。山伏が3升の山盛り飯や山菜を6人の頂戴人に差し出し「75杯残さず食べろ」などと責め立てた。

飯を残さず食べるよう頂戴人を責め立てる山伏たち=2日午前11時45分、日光市山内
飯を残さず食べるよう頂戴人を責め立てる山伏たち=2日午前11時45分、日光市山内

 強飯式はかつて修行僧が山中の供え物を持ち帰り、人々に分け与えたのが始まりとされる。頂戴人や参列者は難を逃れ、福を授かると語り継がれている。

雨天のため、25年ぶりに三仏堂内で行われた「縁起がらまき」
雨天のため、25年ぶりに三仏堂内で行われた「縁起がらまき」

 この日は雨天のため、式後の「縁起がらまき」は堂内で実施。輪王寺によると堂内では25年ぶりという。菅原道信(すがわらどうしん)総務部長(58)は「寒い中だが盛大に行われたことを喜ばしく思う。七難即滅(しちなんそくめつ)というが、全ての難がなくなるよう願いを込めた」と話した。

◇ほかにも下野新聞フォトサービスに写真