本県の消防隊が活動した山を眺める上野さん。火は斜面を下り家に迫った=5日午後、岩手県大船渡市赤崎町合足

 岩手県大船渡市で発生した大規模山林火災で、本県から派遣された緊急消防援助隊の活動によって自宅への延焼を免れた住民が12日までに下野新聞社の取材に応じ、隊員たちへ感謝の思いを語った。同市赤崎町合足(あったり)に住む会社員上野政志(うえのまさし)さん(65)は、近所で全焼した家もあり不安な避難生活を送った。隊の活動を報道で知り、避難指示解除後に無事自宅に戻ることができた。「生まれ育った家を守っていただいた。感謝してもしきれない」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 「こんな近くまで火が迫っていたとはね。うちも危なかったんだ」

 5日午後。自宅の裏山にある雑木林を眺めながら、上野さんがつぶやいた。