男子走り高跳びで2メートル00を跳び優勝した能手(大串銃砲火薬店)=カンセキスタジアムとちぎ、鈴木航撮影

 陸上の県春季大会高校・一般の部第2日は19日、宇都宮市のカンセキスタジアムとちぎで行われた。

 男子100メートルで小林英嵩(こばやしひでたか)(OCOSITEI)が大会新記録の10秒51で初優勝。同走り高跳びは能手俊充(のてとしみつ)(大串銃砲火薬店)が2メートル00で2年ぶりに制した。女子円盤投げは諏訪彩乃(すわあやの)(白鴎大足利高)が37メートル09で、前日の砲丸投げに続いて2冠を達成した。

 男子5000メートルの江口怜臣(えぐちれお)(作新学院高)、女子3000メートルの松本瑠莉(まつもとるり)(宇都宮文星女高)、同棒高跳びの水口(みずぐち)ゆあ(宇都宮女高)は連覇。女子七種競技では加藤未来(かとうみく)(白鴎大足利高)が計4613点で初の頂点に立った。

 最終第3日は20日、同会場で行われる。

意欲衰えぬ31歳「100点」 男子走り高跳び 能手俊充(大串銃砲火薬店)

 種目唯一の社会人が男子走り高跳びで圧巻の勝利を飾った。能手俊充(のてとしみつ)(大串銃砲火薬店)が2メートル00をマークし2年ぶりの頂点。「100点の出来」と表情は充実感に満ちていた。

 出場17人のうち、周りは全員高校生。ほとんどの選手が試技を終えた1メートル85センチから登場し、ただ一人成功した。競う相手がいなくなっても、そこからさらに記録を伸ばした。

 3月に踏み切る足とは逆の右足首を捻挫し、コンディションは「70%くらい」だったが、復帰戦としては上々。自己ベストの2メートル06には及ばずとも「いずれ超えられると感じた」と手応えは得た。

 競技は中学から始めた。青藍泰斗高、作新学院大での学生時代は「あまり結果を残せなかった」。「まだできるのでは」と悔しさを糧に競技を継続し、現在も週5回程度、両母校などで練習を積む。助走、踏み切りがかみ合った時に得られる「無重力感」に面白さを感じ、現在もそれを探求し続けているという。

 15日に31歳を迎えたが、「少なくともあと1年は(現役を)続ける」と目線を先に向ける。そして「5月の東日本実業団選手権で2メートル10を出したい」と、まだまだ意欲は衰えない。

「風に乗って」大会新

 男子100メートルを自己ベスト、そして大会新記録の10秒51で優勝した小林英嵩(こばやしひでたか)(OCOSITEI)。「今までで一番気持ちよく走れた」と晴れやかな表情で語った。

 気温が暖かかったため「体が良く動き、軽かった」。予選、決勝と立て続けに自己ベストを更新。感覚を「風に乗っているよう」と例える好調ぶりだった。

 社会人になり練習時間は短くなったが「量より質」と語る24歳。今年はさらに「10秒4台を目指す」と力強く語った。

四種全中女王が圧勝

 女子七種競技は加藤未来(かとうみく)(白鴎大足利高)が計4613点で初優勝。2位に962点差をつける圧勝だった。

 昨夏は四種競技で全国中学大会を制した。「どれくらい実力が出せるか分かった」七種競技のデビュー戦となった今大会も6種目で1位に。それでも高みを目指す逸材は、唯一2位だった最後の800メートルを「悔しい。ここが課題」と満足する様子はない。

 今夏は全国高校総体での入賞を狙う。「800メートル、跳躍系の種目を伸ばしたい」と進化を誓った。

 作新学院大・斎藤晴(さいとうはる)(男子400メートル障害を52秒20で優勝)「51秒10(昨年の日本学生対校選手権A標準記録)を狙っていたので悔しい。左足のくるぶしを打撲していて、ハードルの踏み切りで痛みがあった」