【小山】市は23日の定例記者会見で、聴覚障害者が来庁した際の利便性向上を図るため、本年度から市役所窓口に手話通訳者を配置したと発表した。先月施行された「手と心でつなぐ市手話言語条例」の一環。
配置されたのは手話通訳者の資格を持つ女性2人。会計年度任用職員として福祉総務課に配属された。勤務時間は平日の午前9時~午後5時。
これまでは職員が筆談で対応するか、事前申請が必要な県社会福祉協議会の手話通訳者派遣を利用していた。本年度からは聴覚障害者が窓口に来庁した際は、予約不要で手話通訳者が直接出向いて対応し、行政手続きや相談などの手助けを行う。本年度中に、窓口での軟骨伝導イヤホンの導入も予定する。
そのほか手話でのコミュニケーション能力の向上と聴覚障害者への理解を深めるため、職員対象の手話講習会を開催。先月は浅野正富(あさのまさとみ)市長や濱口隆晴(はまぐちたかはる)教育長などが参加し、手話でのあいさつなどを学んだ。来月は課長級職員らに対象を広げ講習会を開く。
市福祉総務課は「条例の制定や通訳者の配置などをきっかけに、今後も意見を聞きながら、誰もが安心して生活できるよう取り組みを進めていく」としている。