宗教2世の男性。幼少期は「宗教漬けの毎日だった」と語る=4月中旬、宇都宮市

第20条 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。

 物心がついた時から、宗教中心の日々を過ごしてきた。県央在住の40代男性は、新興宗教に傾倒した母に手を引かれ、近所を勧誘に回った記憶がある。

 境遇が他の子と違うと気付いたのは小学校に入ってから。「信者以外の子と親しくしてはいけない」「運動会の徒競走に参加してはいけない」。信仰を理由に母から指示されていた。

 自身は信仰心がなく、おかしいと思うこともあったが、口には出せなかった。親に従わないと、母からの体罰が待っていた。

 最初は手のひら。

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 日本国憲法は3日、施行から78年を迎える。移りゆく時代の中、憲法が保障する権利が脅かされる新たな事態が起きている。私たちにとって憲法とは何か。県内の現場、当事者の思いから見つめ直す。