親子連れなどに人気のおもちゃ博物館の大型遊具。休日は多くの来場者が楽しむ

 壬生町国谷の町おもちゃ博物館の2024年度入館者数は29万4668人で、1995年度の開館以降で2番目に多かったことが、4日までに分かった。2023年度と比べ約4万8千人、約20%増えた。施設の充実や工夫に加え、物価高の中で手頃な入館料、長引く猛暑で屋内施設の需要が高まったことなどが理由にあるようだ。

 入館者数が過去最多だったのは、2000年度の約35万3千人。同年度は隣接するとちぎわんぱく公園などで開かれた「全国都市緑化フェア」に伴い入館無料とした9~11月に30万人超が来館しており、同館は24年度が「通常営業としては過去最多」とする。

 入館者数は、開館初年の1995年度と2000年度を除いて11年度まで10万~13万人台で推移していたが、本館をリニューアルした12年度は約19万7千人に急増。未就学児を重視しおもちゃを手に取って「遊べる」博物館とし10の「ひろば」を設置したことなどが奏功した。その後のピークは16年度の約25万3千人。電子媒体による発信を強化し、デジタルアート集団「チームラボ」による県内初の企画展が存在感を高めた。

 24年度がこれを上回った要因として、同館は来場者のニーズを把握しながら改善を重ねてきたことを挙げる。遠足など団体の人数制限や授乳室整備、見守り用ベンチの増設のほか、鉄道模型の運転体験料金の手頃さなどが好感されている。また年間パスポートが大人3千円、子ども1500円という割安感も、リピーターの増加を後押ししている。

 加えて24年度は子どもの団体来場数が伸長し、大人は無料入館日(県民の日、みぶの日)が6割増加。前者は遠足先として選ばれ、後者は好天とともに物価高の影響も考えられるという。

 同館は「開館以来貫いてきた、来館者に楽しんでもらいたいという姿勢が評価されたと思う」とした。