栃木県のJR小山駅ホームで3年前まで営業し人気だった立ち食いそば店「きそば」が16日、駅改札内のイベントスペースに期間限定出店し、「復活」を待ちわびた利用客らが懐かしの味と雰囲気を堪能した。17日も営業する。

16日は、食券販売開始の午後3時に約20人の行列ができた。従来店舗で使っていた看板や券売機が飾られる中、中沢製麺(栃木市平柳町1丁目)の中澤健太(なかざわけんた)社長(43)らが麺をゆで、天ぷらを盛り付け提供。「当時と同じ味を再現した。小山駅で食べてもらえて喜ばしい」と目を細めた。小山市横倉、高橋照子(たかはしてるこ)さん(75)は「埼玉へ通っていた頃によく食べて、店の人とも仲良くしていたので懐かしい。またホームに出店してほしい」と話した。

同駅構内にはかつて立ち食いそば店が3店舗あり、2007年公開の新海誠(しんかいまこと)監督のアニメ「秒速5センチメートル」で両毛線店舗がモデルとなり注目された。だがその後、相次いで姿を消し、最後に残った宇都宮線店舗閉店直前の22年1月には、「最後の一杯」を求める多くのファンが列をつくった。
17日は正午~午後3時に営業。メニューは「天ぷら新生姜(しょうが)そば」(800円)のみで200食限定。開店1時間前から時間枠別食券や持ち帰り用そばを販売する。駅改札内へ入るには入場券(2時間につき大人150円、小学生以下70円)が必要。







