40年前の恩返しをしたい-。1月に101歳で亡くなった下野市上川島、上野静子(うえのしずこ)さんが両目を献眼した。60代の時、次男義行(よしゆき)さん(72)が左目の角膜移植を受けて視力を回復したお礼をしようと、ドナー登録をしていた上野さん。目の寿命は150年と言われ、県アイバンクによると、県内で百寿を超えての献眼は8年ぶり。

献眼者に贈られる感謝状を前に、母の思い出を語り合う(左から)和明さん、いつさん、義行さん=5月、下野市上川島
献眼者に贈られる感謝状を前に、母の思い出を語り合う(左から)和明さん、いつさん、義行さん=5月、下野市上川島

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 上野さんは1923年、旧国分寺村に生まれた。50歳ごろまで農業にいそしんだ後、保護司や民生委員として地域に貢献した。献眼を決意したのは60歳を過ぎたころだった。

 自動車修理業をしていた義行さんが業務中、左目に異物が入って炎症を起こし、角膜移植が必要となった。