太平洋戦争末期に沖縄県警察部長を務めた宇都宮市出身の荒井退造(あらいたいぞう)と、県知事島田叡(しまだあきら)について研究している琉球大大学院1年の永田美桜(ながたみお)さん(26)=埼玉県出身=が29日、同市南図書館で2人の「島守」を巡る顕彰活動や継承の課題について講演した。
NPO法人菜の花街道荒井退造顕彰実行委員会が主催する「第8回島守忌俳句大会」の一環。永田さんは2022年、沖縄国際大へ編入学し、2人の研究を始めた。今春からは大学院で、2人が沖縄の戦後の社会でどう位置付けられてきたのかを掘り下げている。
永田さんは講演で、島田の顕彰活動は1960年代に母校兵庫高(神戸市)の同窓会が本格化させた一方、栃木で荒井の顕彰が始まったのは約半世紀後の2015年ごろだったと説明。荒井の場合は同窓生による証言も少ないとして「同窓会という組織が2人に対する記憶の差を明確にしている」と指摘した。
2人は住民疎開に尽力したが、沖縄では戦争責任を追及する声もある。永田さんは2人を評価する上で「何ができて何ができなかったのかを検証することが重要。顕彰活動から、戦後史を捉え直す必要がある」と強調した。
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