やなせたかしがいずみたくのファミリーコンサートのために描いたイラスト

 「見上げてごらん夜の星を」を手がけた作曲家、いずみたくの足跡を直筆の楽譜など貴重な資料からたどる展示会が11~13日に東京・蔵前で開かれる。いずみが1977年に創設したミュージカル劇団「イッツフォーリーズ」の稽古場が会場。

 放送中のNHK連続テレビ小説「あんぱん」では、いずみたくがモデルの作曲家を「Mrs. GREEN APPLE」の大森元貴が演じることでも話題だ。今回は、やなせたかし作詞、いずみ作曲の「手のひらを太陽に」の直筆の楽譜などのほか、家族向けコンサートで使われたやなせのイラストも展示される。

 いずみが永六輔と組んで初めて制作した60年初演のミュージカルが「見上げてごらん夜の星を」。やなせも美術で加わった。63年の再演では坂本九らが出演し、テーマ曲も大ヒット。戦後、互いの才能に引かれ合うように集まった彼らがラジオ、テレビ、舞台と手探りで新しい作品を作り出した。

 誰もが口ずさめる曲を書き続け、92年に死去したいずみ。名前は残らなくても、民謡のように歌い継がれたらいいと語っていたという。主催者は「朝ドラを機に、いずみたくという作曲家がいたことをあらためて知ってほしい」と話している。

 会場は台東区蔵前2―4―5、K―FRONTビル9階。入場無料。