【佐野】宇都宮市でこのほど開かれた「第50回県消防救助技術大会」で、佐野市消防本部職員がチームの「引揚救助」と個人の「はしご登はん」「基本泳法」の3部門で優勝し、それぞれ上部大会への出場を決めた。同本部が一大会で3部門の栄冠を手にしたのは初の快挙。職員らは次の大舞台に向けて、連日汗を流しながら訓練を重ねている。
同大会は、消防職員が技術を磨き合うことなどを目的に開催。県大会は県内全ての消防本部が参加し、日頃の訓練の成果を競った。
引揚救助で優勝し、関東大会出場を決めたのは望月裕葵(もちづきゆうき)さん(29)、黒田幹太(くろだかんた)さん(27)、関根魁人(せきねかいと)さん(24)、八下田悠斗(やげたゆうと)さん(24)、萩原崚央(はぎわらりょう)さん(20)5人のチーム。昨年5位に終わった悔しさをバネに、結成2年目で栄冠をつかんだ。リーダーの望月さんは「全国大会出場を目標に、今後も全力で訓練に取り組む」と前を見据える。
個人のはしご登はんは柿沼宏樹(かきぬまひろき)さん(22)、基本泳法は小久保凌(こくぼりょう)さん(22)が優勝。柿沼さんは「日本一の消防士になれるように頑張りたい」、小久保さんは「昨年かなわなかった全国大会出場を目指す」と意気込む。引揚救助のチームと小久保さんは1都9県が出場する関東大会、柿沼さんは8月の全国大会に出場する。
また今年の関東大会では同本部職員が関東地区を代表し、最新技術を取り入れた救助訓練を実演することが決まっている。
同訓練は携帯電話が圏外となる山岳地帯で発生した滑落事故を想定。2台のドローンを使いながら要救助者を捜索し、崖下から救出する流れを披露する。救助隊や救急救命士など、さまざまな部署の職員10人で特別チームを結成し、昨年12月末ごろから練習に励んでいる。救助隊長の島田雅広(しまだまさひろ)さん(39)は「最新技術を取り入れ、より安全で迅速かつ確実な救助活動を目指していきたい」と抱負を語った。