栃木県内の特別支援学校の常勤講師として働く女性(28)=宇都宮市在住=は仕事の傍ら、インスタグラムで特別支援教育に関する情報を積極的に発信している。アカウント名は「はるちゃん先生-特支×対話と遊びのプロ」。「子どもに安心感を与える方法」など、教育現場で役立つ内容を分かりやすくまとめる。どんなに忙しくても週数回の投稿を欠かさない。「大変な時もあるけれど、悩んでいる先生に少しでも届いてほしい」。はるちゃん先生を突き動かすのは過去の苦い体験だ。

 大学卒業後、高校時代からの目標だった教員になった。小学校や家庭科の教員免許も取得予定だったが、採用試験では近年ニーズが高まる特別支援教育の教員を志望した。初任地の公立小で、任されたのは特別支援学級の担任。複数学年の児童8人のクラスだった。

赴任数ヶ月で「うつ病」

 「エンジン全開」で頑張ったが、それぞれ特性の異なる児童への対応は分からないことだらけ。誰かに聞きたくても、忙しそうに働く先輩教員に何度も相談することはためらわれた。児童に対応しきれない自分が、ふがいなかった。