全国高校総合体育大会(インターハイ、IH)第75回全国高校スケート・アイスホッケー競技選手権大会が来年1月、本県で開催される。今年6月には県高体連や開催地となる日光、宇都宮両市など関係者による実行委員会が立ち上がった。高校生がトップレベルの争いを繰り広げる舞台だ。多くの県民に競技の魅力に触れてもらい、本県の競技人口を増やす契機にしたい。
本県開催は9年ぶりとなる。スケート・アイスホッケーIHは競技施設がある都道府県が交代で開催地を務めているが、単独で全競技を開催できるのは現在、本県と北海道、青森、長野の4道県のみ。多くの年度はスピードスケート、フィギュアスケート、アイスホッケーの分散開催となっている。
それだけ競技環境に恵まれているといえる本県だが、競技人口は極めて少ない。本県で各競技に取り組む高校生は本年度、フィギュアスケート1人、スピードスケート5人、アイスホッケー30人の計36人。5年前の2020年の計45人と比べても減少傾向に歯止めがかからない。
少子化に加え子どもたちが親しむスポーツの多様化などが要因として考えられるが、各競技はいずれも冬季五輪の花形競技で世界的なメジャースポーツだ。環境が整っている本県で、競技に親しむ子どもたちを増やせないものか。今大会の本県開催は競技の魅力に触れる好機でもある。
県高体連や教育委員会などは連携し、小中学生に観戦の機会を設けてほしい。各競技に触れられるのは単独開催の利点だ。年齢の近い高校生が氷上で熱戦を繰り広げる姿は、大きな刺激になるはずだ。
既に県内の高校生から募集して大会スローガンやポスター図案などが決まっている。実行委は全県的に盛り上げる仕掛けを打ち出してほしい。開幕を控えたカウントダウンイベントや運営ボランティアの公募なども検討してはどうか。県を挙げた取り組みは、小中学生らの関心の高まりにもつながるだろう。
今大会は全国から選手だけで900人前後、関係者を含めると千人超の参加が見込まれる。選手の中から将来のオリンピアンが誕生するかもしれない。大会に向けてさらに機運の醸成を図り、選手はもちろん、子どもたちをはじめとした県民にとっても記憶に残る大会にしたい。