作品展を開催中のキューライスさん

 何かと不運に見舞われる残念な猫の「ネコノヒー」、好きを押し通すウサギの「スキウサギ」。愛らしいキャラクターを次々に生み出し、漫画や絵本、アニメーションなど幅広い分野で活躍する宇都宮市出身のアーティスト、キューライスさんの作品展が、東京・松屋銀座8階イベントスクエアで開かれている。

 キューライスさんは1985年生まれ。作新学院高美術デザイン科卒、東京造形大大学院修了。東北新社でCMディレクターとして活躍する一方、個人的に公開していた漫画などが交流サイト(SNS)で人気を博し、フリーに転向した。かわいくもシュールな世界観が特徴だ。

 作品展は「キューライス万博」と題し、自身で構成・監修を手がけた。原画や立体造形など約200点を展示。会場入りした際は「自分の作品を見るのは恥ずかしく、薄目で見た」と照れ笑い。「17歳から制作を始め、40歳独身男性の創作の全てを感じてもらえれば」と話す。

 単行本や映像化されたキャラクターを集めた「コミック館」や、「物語館」「シュール館」など七つのジャンルに分けて作品を紹介。描き下ろしの大型作品の展示やアニメーション上映、フォトスポットなども設けられている。

 ネコノヒーの4こま漫画では、卵かけご飯に失敗する姿などが描かれている。誰もが経験したことがあるような残念な出来事が、不思議な共感を呼ぶ。「自分のネガティブさを笑いのエッセンスに変えていければ」

 併設カフェでは作品をモチーフにしたメニューも提供する。8月11日まで。当日券は一般1700円、高校生千円など。