画面上に映し出された等身大の被爆者から体験を聞く本紙記者=29日午後、広島市中区

 広島市主催の国内ジャーナリスト研修「ヒロシマ講座」2日目の29日、同市中区のNHK広島放送局で、本紙記者らが人工知能(AI)を活用して画面上の等身大の被爆者と疑似対話ができる「被爆証言応答装置」を体験した。装置は同放送局が2023年に開発した。同市も現在、AIを取り入れた同様の装置を開発中。被爆者なき時代を見据えた記憶継承の在り方が模索されている。

 同放送局や同市の装置は、AI自体が映像などを新たに生む「生成AI」ではない。NHKの担当者は「(生成AIがつくる)『それらしき答え』が出回るのは恐ろしいこと。最も大切なのは被爆者の語る言葉をそのまま伝えること」と強調した。