【日光】市は本年度、若者で組織するまちおこし団体「NiT(ニット)」と共同で子どもの居場所づくりに取り組む。施設や店舗など拠点を設けないのが特徴で、日ごとに集いの場を移してイベントを開く。居場所づくりを推進するこども家庭庁のモデル事業にも採択された。市子ども家庭支援課は「拠点を持たない“移動式”は県内でも珍しい。地域に合った居場所づくりを推進していきたい」としている。
イベントはNiTの運営で「日光あそびくらす」と題して実施。市内在住の小学1~6年生を対象に、初回は17日に川治温泉を流れる男鹿川でカヌー体験と魚のつかみ取り、第2回は9月14日に中禅寺湖でスタンドアップパドルボード(SUP)と日光自然博物館の見学を行う。
保護者の同伴不要で参加無料。定員は各回20人。市役所から会場までバスで送迎し、昼食も用意する。各回とも8月3日までに市ホームページからの専用フォームで申し込む。
事業は地域共生社会の実現に向けた一歩と位置付けられている。市の雄大な自然や観光資源に着目し、拠点を持たずに地域への理解や郷土愛を深めてもらう狙いがある。
国のモデル事業として補助金も交付されるため、年1、2回としていた当初の計画から規模を拡大。イベントは来年4月まで10回程度の予定で、10月以降はダム見学や日光彫り体験などを計画しているという。
NiTの小松乙女(こまつおとめ)代表(25)は「大学や大学院の教育学部で学ぶメンバーも多く、自分たちの活躍の場にもなる。年齢も近いので交流を楽しみにしてほしい」と参加を呼びかけている。