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 栃木市出身の版画家・彫刻家鈴木賢二(すずきけんじ)(1906~87年)が核廃絶と平和への思いを込めて制作し、1958年の原水爆禁止世界大会で披露された版画絵巻「平和を世界に」が4日、広島市中区で開催された同大会で67年ぶりに展示された。賢二の四女解子(ときこ)さん(79)=栃木市=らが関係者との交渉を重ねるなどし、2年がかりで実現した。解子さんは被爆80年の広島での展示に意義を感じつつ「この作品が意味を持たなくなるくらい平和な世界になってほしい」と願った。

 「父も『解子よくやったなあ』と喜んでくれていると思う」。同日午後、原水爆禁止日本協議会、原水爆禁止日本国民会議が集会を催した広島グリーンアリーナ。解子さんは核廃絶運動の原点となった地での展示に感無量の様子だった。

67年ぶりに原水爆禁止世界大会の会場で展示された版画絵巻「平和を世界に」=4日午後、広島市中区
67年ぶりに原水爆禁止世界大会の会場で展示された版画絵巻「平和を世界に」=4日午後、広島市中区

 「平和を世界に」は連作40枚をびょうぶの形に仕上げた全長12メートルの版画絵巻(上下2巻)。賢二が58年の第4回原水爆禁止世界大会を機に制作した。