栃木地方最低賃金審議会(会長・藤井亮二(ふじいりょうじ)白鴎大法学部教授)は5日、2025年度の本県の最低賃金を1時間当たり64円(6・37%)引き上げ、1068円に改定するよう全会一致で決定し、栃木労働局の川口秀人(かわぐちひでと)局長に答申した。引き上げは22年連続。現行方式となった02年以降、引き上げ幅は初の6%台と最高を更新した。10月1日から適用される予定。全国の地方審議会の中で最も早く答申が出された形だ。

 最低賃金は、厚生労働省の中央最低賃金審議会が都道府県ごとに引き上げ目安額を提示する。4日に示された本県の引き上げ目安額は63円で、栃木の答申は目安額を1円上回った。

最低賃金改定の答申書を栃木労働局の川口秀人局長(左)に手渡す栃木地方最低賃金審議会の藤井亮二会長=5日午後、宇都宮市
最低賃金改定の答申書を栃木労働局の川口秀人局長(左)に手渡す栃木地方最低賃金審議会の藤井亮二会長=5日午後、宇都宮市

目安額を1円上回る

 本県の最低賃金の引き上げ額が5日、中央最低賃金審議会が示した目安額を1円上回る「64円」で決着した。栃木地方最低賃金審議会で、労使双方の当初の提示額には大きな隔たりがあったが、最終的には歩み寄りを見せた形だ。背景には、目安額を上回った地域に財政支援するとした政府方針への期待がある。過去最大の引き上げ幅となった「1068円」への改定。労働者側は歓迎する一方、企業側からは経営の厳しさを訴える声が上がった。