約15メートルの杉丸太を担ぎ上げ、山頂に打ち立てる伝統行事「石尊山(せきそんさん)の梵天(ぼんてん)祭り」が14日早朝、栃木県足利市小俣町の同山(486メートル)で行われた。約200人が山頂に集まり、五穀豊穣(ほうじょう)や家内安全を祈った。
祭りは江戸時代から始まったとされる県指定無形民俗文化財で、毎年同日に行われている。

杉丸太を担いで梵天道を上る担ぎ手たち=14日午前、足利市小俣町
午前3時に山麓の不動堂で護摩祈祷(きとう)を行った後、約70人の担ぎ手が杉丸太を肩に担いで出発。「わっしょい」と威勢良く声を合わせながら「梵天道」と呼ばれる急な坂道を登り、約1時間かけて杉丸太を山頂へ運んだ。
山頂では杉丸太の先端に幣束(へいそく)などを取り付け、日の出とともに空に向かって打ち立てた。その後、幣束を抜き取って家内安全などを願おうと、子どもや若者らが次々と丸太登りに挑戦した。

杉丸太に登る子ども
先陣を切って丸太に上った同市小俣小2年の男子生徒(7)は「去年より高く登れてうれしい。次は丸太に付いた板を取りたい」と話した。