15日に終戦80年を迎えるに当たり、福田富一(ふくだとみかず)知事は談話を発表した。
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本日、わが国は先の大戦の終結から80年の終戦記念日を迎えました。先の大戦では、多くの方々が、祖国やふるさとを思い、家族の安泰を念じながら帰らぬ身となりました。県内でも、宇都宮市をはじめとする各地の空襲などにより、子どもも含め多くの尊い命が失われました。苦難に満ち、数多くの犠牲が払われた往時を思うと、80年という長い年月が経過しても、今なお深い悲しみが胸にこみ上げて参ります。
今日までの歩みを振り返ると、わが国は一貫して平和を希求しながら復興と発展の道をたどり、一度も戦火を交えることなく、豊かな生活を築き上げてきました。私は、この豊かさの礎となった、多くの尊い犠牲と先人たちのたゆみない努力を忘れてはならないとの思いを強くすると同時に、この平和な社会を守り、次の世代に引き継いでいかなければならないとの決意を新たにいたしました。
現在、県立博物館で特別企画展「とちぎ戦後 80年~いま、おやと子で知る軍隊・戦争と栃木~」を開催しており、多くの来館者を迎えています。引き続き、戦争の記憶を後世に伝える資料の保存・展示に努め、悲惨な記憶を風化させることのないよう取り組んで参ります。
今日、世界に目を向けると、今なお戦火の中で逃げまどい、苦難を強いられている人々がおり、胸を痛めるとともに、平和を維持していくことの難しさも痛感しているところです。
県民の皆さまにおかれましては、先の戦争で尊い命を犠牲にされた方々、そして、先人たちの復興と発展の歩みに改めて思いを寄せていただくとともに、この平和で豊かな社会を未来につないでいくために、一人一人が何ができるのかを考え、ご家族と話し合う一日としていただければと思います。