工芸作品は、土や金属、竹や漆などさまざまな素材でできています。さて、この作品は何でできているでしょう? 正解は「ガラス」。ガラスの主原料は、「珪石(けいせき)」という白い石を細かくして砕いた「珪砂(けいしゃ)」です。

 1200度以上の高温でトロトロに熔かしたガラスを竿(さお)(鉄のパイプ)の先に付け、息を吹き込んで風船のように膨らませ、くるくると回しながら形作ります(宙吹技法)。ガラスの青色は、珪砂にコバルトや銅などの金属を混ぜ発色させます。岩田藤七(いわたとうしち)(1893~1980年)はこの鮮やかなトルコブルーを「砡空(ぎょくそら)」と呼んでいました。

岩田藤七「花器」(1964年、県立美術館蔵)
岩田藤七「花器」(1964年、県立美術館蔵)