宇都宮市民は全国有数のラーメン好き-?。総務省の家計調査によると、宇都宮市における1世帯当たりの「中華そば(ラーメン)」の消費額は毎年全国トップクラス。過去10年間の平均額でみると、全国3位に位置する。宇都宮市民は言わずと知れたギョーザ好きだが、なぜラーメンの消費額も多いのか。栃木県内の事情に詳しいラーメン通を取材すると、四つの“説”が浮かび上がった。

 2015~24年の10年間の家計調査を分析すると、宇都宮市のラーメン消費額は1世帯(2人以上)で年平均1万762円。全国平均の6611円を大きく上回り、山形市(1万5898円)と新潟市(1万2892円)に次ぐ額となった。年平均が1万円を超えたのは仙台市(1万559円)と福島市(1万407円)を加えた5市だけだ。

 宇都宮市の順位を各年でみると、15年は4位。16年5位、17年2位、18年3位、19年9位、20年8位、21年3位、22年4位、23年4位、24年10位となり、10年連続でトップテン入りを果たしている。消費額ベースでは、新型コロナウイルス禍の初年となった20年は7千円台となったが、それ以外の年は9598円(16年)~1万2532円(17年)で推移し、全国平均を大幅に上回り続けている。

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 宇都宮でこれほどラーメンが食べられるのはなぜなのか。1954年創業の製麺会社「中沢製麺」(栃木市)の中澤健太(なかざわけんた)社長に聞いたところ、「汁好きな県民性」と冬場に冷え込む土地柄を理由として挙げた。