栃木県内は3日、暖かく湿った空気などの影響により大気が不安定となり、夕方から夜にかけ、小山市や真岡市を中心に大雨と強風による被害が発生した。小山市では住宅の床上、床下浸水や車の水没、倒木などが相次ぎ、真岡市ではビニールハウスが突風で倒壊したとみられる被害も確認された。
小山市ではレーダー解析などで午後6時までの1時間雨量が約110ミリに達し、気象庁が記録的短時間大雨情報を発表した。
県によると、同市では住宅2棟が床上浸水、8棟が床下浸水し、8棟が倒木や風により一部損壊した。非住宅については倉庫の屋根など19棟が被害を受け、車両12台が水没した。
同市危機管理課によると、9件の倒木被害も確認された。JR小山駅西口周辺では、複数の街路樹が倒れた。同市城山町2丁目では、県道沿いの街路樹の枝が割れて落ち、車道の一部をふさいだ。複数の県道で通行止めが発生した。
真岡市長沼では、イチゴの苗を育てるビニールハウスが複数箇所で突風とみられる被害を受け、二宮運動場近くのビニールハウスもビニールが吹き飛ばされ、骨組みが上からつぶされたようにひしゃげた。
現場に駆け付けた市農政課の担当者は「一夜明けて明るくなってからでないと被害の全容が分からない」と心配そうに見回った。
小山、真岡両市内では停電も発生した。このほかJR宇都宮線や水戸線、東武日光線、真岡鉄道で遅れや運転の見合わせもあった。
宇都宮地方気象台によると、4日午後6時までに予想される24時間降水量は多いところで北部、南部ともに120ミリ。線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに増える恐れがある。