東武日光駅で行われた不審者対応訓練

 秋の行楽シーズンを控え日光署と東武鉄道は5日、日光市松原町の東武日光駅で不審者への対応訓練を行った。JRも含め日光駅での訓練は初めてという。

 同署や県警鉄道警察隊、東武日光駅の駅員ら約60人が参加。ライターやナイフを所持する不審者が、駅待合室で暴れるという想定で行った。不審者に気付いた駅利用客が売店の店員に知らせ、さらに駅員が110番通報。同時に英語による避難誘導も行われた。

 同署員扮(ふん)する不審者に、駅員らは刺股やパイプ椅子で距離を保ちながら対応。約5分後に駆け付けた警察官が不審者を制圧した。

 また刺股やパイプ椅子を用いた護身訓練も行われた。参加者たちは「間合いを取り、警察官が到着するまでの時間を稼いでほしい。しかし身の危険を感じたら逃げて」との呼びかけに熱心に耳を傾けていた。

 訓練を終えた同駅の谷田貝淳(やたがいじゅん)駅長は「人の集まる場所での事件事故が増加している中、お客さまをはじめ全ての安全を図るため関係機関と協力体制強化に努める」とあいさつ。泉田康行(いずみたやすゆき)署長は「何ができるか、どう防御できるかを体験し、意識することが備えになるのでは」と話していた。