製鉄所付近で艦砲射撃があった日を振り返る佐々木テルさん。幾多の災禍を乗り越え、命の重みを次代へ訴える=6月16日、岩手県釜石市大渡町

釜石艦砲射撃で甚大な被害を受けた製鉄所(市郷土資料館提供)

製鉄所付近で艦砲射撃があった日を振り返る佐々木テルさん。幾多の災禍を乗り越え、命の重みを次代へ訴える=6月16日、岩手県釜石市大渡町 釜石艦砲射撃で甚大な被害を受けた製鉄所(市郷土資料館提供)

 戦争と津波、幾多の災禍を生き抜いたからこそ、命の尊さを深く知っている。佐々木(ささき)テルさん(96)=岩手県大槌町末広町=は昭和三陸大津波で家を流され、太平洋戦争では釜石艦砲射撃を体験。ようやく訪れた平穏な日々は東日本大震災の津波で再び打ち砕かれた。火の海と化したまちと故郷を襲った黒い波。どの光景も脳裏に焼き付いて離れない。