来場を呼びかける宮松さん(左)と西口さん

 【小山】子どものころからクラシック音楽に親しんでもらおうと、都内を中心に活動するプロオーケストラの東京21世紀管弦楽団は10月5日、市文化センターでゼロ歳児から大人まで楽しめる「0歳からのオーケストラコンサート」を開く。楽団が本年度から始めた巡回事業で県内初開催。市出身のソプラノ歌手西口彰子(にしぐちあきこ)さんの出演も決まり、「育児のためコンサートに行けないお父さん、お母さんにも楽しんでほしい」と呼びかけている。

 楽団は固定概念にとらわれない新しい時代のオーケストラを目指し、2019年に設立された。東京芸術劇場(東京都豊島区)を拠点に年間約30回の演奏活動を行っている。

 子どもに「質のいい音楽」を提供することもテーマに掲げ、通常はコンサートに入場できない未就学児にも音楽を楽しめる環境をつくろうと、今回のコンサートを企画した。これまで東京都福生市など都内4カ所で開催している。

 今回は「アンパンマンのマーチ」「鉄腕アトム」などのアニメ曲や、ビゼーの「アルルの女」、チャイコフスキーの「くるみ割り人形」といったおなじみのクラシック計10曲余りを演奏する予定。会場にはおむつ替えや授乳スペース、ベビーカー置き場を設け、保護者の不安解消を図る。

 指揮者の宮松重紀(みやまつしげき)さんは「こんな前向きなオーケストラはない。これまでで一番いいコンサートにしたい」と意気込む。シュトラウス2世の「春の声」などを披露する西口さんは「音感が発達する子どもの時期に本物の音楽を楽しんでほしい」と話している。

 当日は午前11時からと午後2時半からの2回開演。全席指定で大人2500円、3歳~高校生千円。2歳未満は保護者1人につき1人無料。(問)同センター0285・22・9552。