【茂木】1937(昭和12)年に運行が始まったJRバス関東の「水都西(すいとさい)線」が30日、88年間の歴史に幕を下ろした。午後6時40分発の最後のバスが真岡鉄道茂木駅を出発する際には、地域住民の有志やバスマニアら約20人が写真を撮るなどして思い出をつくった。
同駅前では同6時ごろから人が集まり始め、バスが到着すると、乗車してきた10人ほどの愛好家も合流して即席の撮影会になった。国鉄バス時代に車掌をしていた佐藤和子(さとうかずこ)さん(73)も訪れ、最後の運転手を務めた安部賢二(あべけんじ)主任運転士(57)に花束を手渡した。
同社宇都宮支店の最後の車掌だった佐藤さんは84年まで同町内を走っていた山内甲(かぶと)線に乗車し、引退後は同駅でそば屋を営む。「時代の流れとはいえ、廃止は寂しいですね」と話した。
一方、母親と最後のバスに乗車してきた宇都宮大付属小6年小林煌英(こばやしこうえい)さん(12)は「最後のチャンスだったので乗車した。88年間、長い距離を走り、運転も大変だったはず」と話し、帰りのバスにも乗車していた。