杉並木の魅力などについて意見を交わしたシンポジウム=4日午後、日光市今市

杉並木の魅力などについて意見を交わしたシンポジウム=4日午後、日光市今市

杉並木の魅力などについて意見を交わしたシンポジウム=4日午後、日光市今市 杉並木の魅力などについて意見を交わしたシンポジウム=4日午後、日光市今市

 日光杉並木の植樹400年を記念した県主催のシンポジウムが4日、日光市今市の道の駅日光ニコニコホールで開かれた。市内外から参加した330人が、貴重な文化遺産の来し方と行く末に思いをはせた。

 冒頭、主催者を代表し福田富一(ふくだとみかず)知事、瀬高哲雄(せたかてつお)市長、日光東照宮の稲葉久雄(いなばひさお)宮司があいさつ。福田知事は「歴史的価値を見つめ直し、未来に向けた継承のあり方について、多角的な視点から議論を深めたい」と開催の狙いを述べた。

 「日光杉並木の誕生に関わった人々の功績」と題し基調講演を行った本郷和人(ほんごうかずと)東京大教授は、植樹を始めた松平正綱(まつだいらまさつな)について「幕府初代の勘定奉行。家康の側近で、徳川家臣団の中の若手の切れ者だった」と紹介。家康が死後、日光への改葬を望んだ理由については「関東や東北の開発につなげるため、両方ににらみを利かせられる日光から日本全体を見渡そうとしたのでは」と推察した。

 続いて開かれたパネルディスカッションは県文化財オフィサーの相川七瀬(あいかわななせ)さん、徳川宗家第19代当主の徳川家広(とくがわいえひろ)さんら4人が意見を交わした。相川さんは「植えた人が400年前にいて、それを守る人が400年間いた。人の手を介して守られてきた生きた文化財」と魅力を話した。