硫黄島で撮影された家族の写真を眺める田村さん(右)と西村さん=9月下旬、那須町高久甲

硫黄島で撮影された幼少期の吉田静子さん(中央奥)の写真(田村さん提供)

硫黄島で撮影された家族の写真を眺める田村さん(右)と西村さん=9月下旬、那須町高久甲 硫黄島で撮影された幼少期の吉田静子さん(中央奥)の写真(田村さん提供)

 太平洋戦争末期に激戦地となった硫黄島(東京都小笠原村)を広く知ってもらおうと、島出身の祖母を持つ那須町高久甲の田村友美(たむらともみ)さん(43)は「全国硫黄島島民3世の会」の一員として活動している。戦後80年がたち、島の記憶がうすれゆくことに危機感を覚え、1年前に入会し、今も帰島できない地元の島民の話を聞き取りしたり、豊かな島の姿を絵本で残したりする継承に協力する。那須には入植した元島民が暮らしており「寂しくならないよう島を知る人を一人でも多くしたい」と語る。

 戦時中まで、硫黄島には約1100人が暮らしていたが、戦渦で各地に強制疎開となり、火山活動の影響もあって帰島できずにいる。