南押原高等小学校時代の省三(左)と、母親はま、弟芳男=1902年2月(鹿沼市教委提供)

 千葉省三(ちばしょうぞう)は1892年、母親の実家である篠井村(現宇都宮市)の農家で生まれた。

 教師だった父親は、省三が2歳の時に今市町吉沢(現日光市吉沢)の吉沢尋常小学校(現今市第三小)、6歳の時に南押原村楡木(現鹿沼市楡木町)の楡木尋常小学校(現楡木小)に、いずれも校長として転任した。一家は引っ越し、省三は校長住宅で育った。

 吉沢は寒村だった。友だちはおらず、省三は3歳年下の弟と遊んだ。