予想がことごとく裏切られ、心を揺さぶられました。映画「愚か者の身分」(永田琴監督・公開中)は、闇バイトに手を染め、裏社会に身を落とした若者3人(北村匠海、林裕太、綾野剛)が、足を洗って裏社会から抜けだそうとする3日間の逃避行サスペンス―。今、私たちのすぐそばで起きているような話です。
過去と現在が交錯し、視点は複数の人物に切り替わる。先の展開を予想しますが、当たらない。3人の姿を、最後まで祈るような思いで見守ることに…。乱闘場面は派手さこそないけれど、技ありの構成。ある出来事を写さず、余白として観客に預ける選択もうれしい。
9月に韓国で開かれた釜山国際映画祭では、メインキャストの3人がそろって最優秀俳優賞を受賞しました。ではいったい、3人の何がそんなにいいの? 一方、原作小説には、2時間10分の映画には入らなかった要素・膨らみ・味わいがあります。そこも含めてポイントを解説する動画をYouTube「うるおうリコメンド」(略称うるりこ)にアップしています。ぜひお楽しみください。(共同通信=安藤涼子)
▼解説動画URL
https://youtu.be/sZwQg7RHCkQ
▼映画『愚か者の身分』2025年10月24日(金)公開
・出演:北村匠海 林裕太 山下美月 矢本悠馬 木南晴夏 綾野剛
・監督:永田琴
・脚本:向井康介
・原作:西尾潤「愚か者の身分」(徳間文庫)
・配給:THE SEVEN ショウゲート
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