新海誠(しんかいまこと)監督の代表作「秒速5センチメートル」の実写映画公開から11月10日で1カ月となった。作中でヒロインの明里(あかり)が主人公の貴樹(たかき)に送る手紙に、栃木県名物の「レモン牛乳」が登場する。原作アニメにはない描写で、明里は「(引っ越し先の)栃木で給食にレモン牛乳が出た」という内容をつづっている。実際に栃木県内の学校給食にレモン牛乳は出るのか。どんな味なのか。製造する栃木乳業(栃木市大平町川連)に聞いた。

栃木県名物の「レモン牛乳」
栃木県名物の「レモン牛乳」

 映画は新海監督の作品で初の実写化となった。原作アニメ「秒速5センチメートル」は、小学校で出会い好意を寄せ合いながらも離れ離れになった男女、貴樹と明里の再会、時間と距離により隔たれたことによる心の動きなどが描かれた3本の連作アニメ。中学1年生になった貴樹が転校した明里に会うため、大雪の中、東京から電車を乗り継ぎ栃木へ向かう。JR両毛線の岩舟駅が2人の再会場所として重要シーンで登場する。アニメの公開から18年たった今でも、岩舟地域に“聖地巡礼”として全国のファンが訪れるほど、愛され続けている作品だ。

手紙の中で登場

 実写映画では、主演の貴樹役を松村北斗(まつむらほくと)さん、ヒロインの明里役を高畑充希(たかはたみつき)さんが演じる。原作のストーリーに実写版のオリジナルストーリーも組み込まれている。

 レモン牛乳が出てくるのは、小学校卒業と同時に栃木へ引っ越した明里が貴樹へ送った手紙の一節。「初めて給食にレモン牛乳が出た」という内容だ。アニメにはない描写で、レモン牛乳に親しんだ栃木県民は、スクリーンの前ではっとしたのではないだろうか。