宇都宮市の天然記念物「旭町の大いちょう」の葉が、今年も鮮やかな黄色に染まった。太平洋戦争の宇都宮空襲を生き抜いた市のシンボルで、戦後80年の今年も晩秋の青空の下、黄葉を輝かせている。
樹齢約400年と推定され、樹高は約30メートル。日当たりの良い上部の葉から色づき、20日までに全体が染まった。
1945年7月12日深夜から13日未明の宇都宮空襲で焼け焦げたが、翌春には新芽を吹いた。戦後復興のシンボルとして市民に親しまれている。
空襲経験者の大野幹夫(おおのみきお)さん(93)=石井町=は「幼少期、近くの保育園に通い、小学生の頃にギンナンを拾って食べた」と振り返り、次世代には「大いちょうから歴史を学び取ってほしい」と願った。

ポストする





