1人の男の子が描かれた絵があるとします。その男の子がイヌ、サル、キジを連れていたら、きっとその男の子は桃太郎でしょう。もしくは、その男の子がまさかりをかついでクマにまたがっていたら、その子は金太郎に間違いありません。このように、その人が持っている物や周りにある物でその人が誰なのかを表すことを、美術の用語で「アトリビュート」と呼びます。

 県立美術館で開催中のコレクション展Ⅲ「画題が意味するもの」で展示しているアレクサンドル・カバネル「狩の女神ディアナ」にもアトリビュートが使われています。ディアナはローマ神話に登場する狩りの女神です。また、月の女神としても知られています。

アレクサンドル・カバネル「狩の女神ディアナ」(1882年)
アレクサンドル・カバネル「狩の女神ディアナ」(1882年)